2015年11月18日

商品・サービスのスタートに合わせてアクセスを集める実験

 SEOを仕掛ける時には大きく見て二つのタイミングがあります。一つは既に対象キーワードが多くネット上に存在しているタイミングでの参入です。そしてもう一つが対象キーワードがネット上にそれほど存在していないタイミングでの参入です。


 前者の場合には上位にあるサイトを見てある程度のニーズや人気コンテンツなども把握しやすいわけですが、その反面、競合サイトが多数存在する事もあり、狙うキーワードによってはいつまでも日の目を見ない事もあります。後者の場合には競合こそ少ないものの情報の少なさゆえにコンテンツ作成で悩む事に加え、どれくらいの集客が見込めるかは未知数と言えます。


 今回の記事ではとある商品・サービスのスタート日に合わせてコンテンツを作りこみ、それらを含んだキーワードでの上位表示を狙った実験の状況をご紹介いたします。


準備〜ドメイン取得


 今回対象とする商品・サービスは既に日本では競合があり、そういう意味ではニーズはある程度分かるものでした。但し、競合はあるとはいえ、今回の対象商品の情報はスタートまではその情報があまり分からない状態でした。


 そのような状況でスタートに合わせてある程度の集客を期待するべく下記のようなスケジュールを組みました。

・スタート日約3か月前・・・ドメイン取得・コンテンツ企画作成開始
・スタート日約1ヶ月半前・・・サイト公開開始



 まずドメイン取得ですが、これはスタート日の約3か月前に取得しました。いつもは取得した時にトップのみある程度書いて公開を先にするのですが、今回はある程度完成するまでは公開をしませんでした。


 なお、この段階で既にこの商品・サービスのアフィリエイトを狙ったサイトやブログは既に複数ありまして、ドメインに商品・サービスの固有名詞を含んでいましたが、私はその手法は避けました。理由はアフィリエイトをやっている方だと分かると思いますが、それらのキーワードがドメインに入っているとアフィリエイトでは広告主からNGが出る事があり、成果を出していても後から変えなくてはいけない事があるためです。そのため、最初からそのキーワードをいれないドメインを取得しました(リダイレクトの可否ではなく、ドメインへの愛着を捨てるのが嫌いなのです)。

 注:この段階ではその商品・サービスがアフィリエイトをやるかは不明でした。


準備〜コンテンツ企画・作成


 ドメイン取得と同時にコンテンツの企画を検討しました。まずは既存の競合で人気のものをピックアップして調査しました。それらでよく検索されるキーワードの組み合わせなども含めコンテンツ候補を一人ブレインストーミングで作成しています。


 競合を詳しく調べている理由はいろいろとありますが、「比較」などのキーワードとともに検索される可能性があるため、特に比較情報を書く事が出来るようにするために細かい部分まで調べています。但し、この段階では比較元の新商品・サービスの詳細が出ていないため中途半端なコンテンツも複数できています。


 この掘り起し作業で出てきたキーワードから作るべきコンテンツページを策定し、公開までの約1ヶ月半はとにかく作りこみました。ここではサイトの構成などは省きますが、当然ながら検索エンジン好みとなるように配慮しています。


 後からいろいろと追加するよりも最初に濃いものをと考えていましたので、ここで作ったメインコンテンツは全て6,000文字以上の大作になっています(文字数が多いからSEOで有利なわけではありません。ユーザーのニーズをとことん詰めていったらこの文字数になっただけですので誤解しないで下さい)。


 加えてSEOとは直接の影響はしないソーシャル狙いのコンテンツも含めました。

サービス開始時の順位とアクセス状況


 コンテンツ開始から商品・サービススタートまで約1ヶ月半でのメインのSEO対象キーワードの順位推移が以下のようになりました。下記はスタート日を含んでいます。日付は今回の対象キーワードが分からないようにぼかしました。

対象キーワードのランク推移



 新規の商品・サービス名でのSEOですのでそれほど難しい事はありませんが、先行しているサイトが結構気合いが入っていた事、そして実際のスタートに合わせて一気にネット上での情報が増えた事もあり、いわゆるQDFコンテンツに邪魔されてサービス開始時に少しだけ順位を落としています。


 もちろん、他のキーワードでも上位になっていますが、それらの総合力でのアクセス推移が以下の通りです。

アクセス推移1



 サービス開始日がどの日かは説明するまでもないと思いますが、右側の飛びぬけている二つの山がサービス開始日と二日目です。それまでは100も行かなかったのがこの日に一気に2,000近くまでアクセスが増えている事が分かります。


 ただ、実際には上位に意識してあげたキーワードからのアクセスはこの時はあまり増えませんでした。ちょっと先取りしすぎたようで、この時に上げる事を目指したキーワード(現在は1〜2位)は後々アクセスに貢献する事になります。


 逆にアクセスに多少は貢献すれば良いなと思っていたコンテンツが想像以上のアクセスを呼んでこの状態になったのが実情です。この点はなかなか想定していても思い通りにはいかない事が多く、やはり経験を積んでいくしかないなと思うばかりです。作っておいた事に救われたとも言えます。


 スタート時と安定期では検索されるキーワードには明らかに違いが出てきます。スタート時に検索されるキーワードというのは、安定期の競合で調べてもなかなか分からない事が多いわけで、この点は注意が必要だと言えます。


サービス開始後


 正直に申しますと、盛り上がったのは最初の3日程度でその後はほとんどネットで話題にならなくなりました。ちょっと早すぎるなとは思いましたが、これはその大元の会社の広報体制によるものなので仕方ないとは思っています。


 それでは作った意味がないか?と言えば、実はそうでもありませんでした。予想外の展開をこの実験サイトは見せてくれました。


 それは意外にも競合会社からのオファーでした。


 今回狙ったキーワードの中で今も人気の複合キーワードが多数あるのですが、SEOが成功し今もそれらのキーワードで上位を取得している状態です。それを受けて競合会社からある提案があったわけです。どんな提案かは想像にお任せしますが、少なくとも今回の実験サイトはある意味面白い展開を見せていると言えます。


 長文となりましたが、今回は既存のキーワードでではなく、新たに話題になるであろうキーワードでの実験について書かせて頂きました。


 以上、ご参考までに。


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posted by SEMアドバイザー at 08:00 | SEO






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